2004年10月31日

盛田隆二「散る。アウト」熱は冷めない

 浮浪者を主人公にした小説だって犯罪に巻き込まれる小説だって意外な展開に驚かされる小説だって世の中にはヤマほどある。
 なのに、なぜ「散る。アウト」だけ、こんなにも引き込まれるのだろうか?

 舞台は東京からモンゴルへ。主人公は冴えない浮浪者である。彼はミステリー小説に出てくるような頭脳ひとつでいろんな事件を解決してゆくタイプではない。同行のダワの機転に助けられたり、判断を間違えたのではないかと迷ったり。そんな等身大の主人公だからこそ、わたしたちは同時にその細やかな感情の動きに同調できる。
 モンゴルの町の風景が細部にわたって描写される。だが取材したものを羅列するだけではない、かといって過剰な感情も含まれていない。だが、確実にその場所の「空気」が緻密に描かれている。だから、だからわたしたちは、未知の町に迷い込んだひとりの人間となってその場所に立つことができる。

 ダワという女性が美しい。とても力強く物語りを引っ張ってゆく。
 カードがどんどんひっくり返るように、いろんな事が起こる。それに同調して脈拍がどんどん上がってくる。
 これはミステリー小説ではない。日常から、自分を始点としてはじまる心の強さ、悲しみ、動いてゆくものたちを描いた小説だ。同調し、絶望し、悲しみ、そして散る、アウト。
 その中で、すれ違い、繋がってゆく数々の人々がいて。ひとりひとりが自分の人生を生きていて、そして繋がっている。

 ラストを迎えても、まだ、熱は冷めない。
 ひとつの物語が終わっても、ダワのことや、主人公のその後などを想像しないではいられない。
 そしてまた、読み返す。
 筆の細やかさが織りなす世界にいつまでも身をおきたいと思う、これまでにないタイプの小説だと思った。

 ***

 またもしつこく、ケチをつけてみようのコーナーです。
 舞台は2006年。世界情勢を細かく描写したこの小説。チェチェン独立派なども登場するんですが。激動の世界は今後どうなるかわからないもの。
 案外その頃には、チェチェンが独立国になってたりして・・・
 いや、わたしは、そこんとこ詳しくないんでわからないんですが。
 どっか突っ込んでみたかったりして・・・
 
 
 

 
posted by noyuki at 22:48| 福岡 ☀| Comment(4) | TrackBack(1) | 佐藤正午系 盛田隆二系 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月30日

伝説の千円札とダンコン

dance

「noyukiさんの1000円札が伝説になってんですよー」
 セブンイレブンのあかねちゃんが言った。
 いつもレジの横に置いてある、寄付金入れの貯金箱の話だ。小銭のお釣りがジャラジャラするのがイヤな人は、あそこに小銭を入れて行くというアレ。
 いつのまにか「災害復興基金」と紙が貼られていた。新潟で地震にあった人に何かできればと思って、万札くずしたついでに1000円入れておいた。
 1000円札が入っていることなんてめったにないんで、いろんな人が目を留めたと言う。
 それで気づいていろんな人がたくさん寄付をしてくれたらしい。
「お札はさすがにないけれど、ほんと、おかげでたくさんの人が入れてくれたんですよー」
 それであっという間にいっぱいになったという。
 人の心というのはいろんなふうにして伝わるんだなと思った。
 悲しいニュースを見たときの悲しみも、それをなんとか手助けしようと思う気持ちも、雲や大気や高気圧のように地球の上を回り続けている。
 teacupや2チャンネルにも災害BBSができている。できることはみんな少しかもしれないけど、それでも気持ちが生まれていくことには変わりない。できればずっと、憎しみや悲しみにならない気持ちを産んでいきたいものだと思った。

 さて。
 ダンコンは、ダンスコンテストの話題。
 某放送局主催のダンスコンテストに出場するつもりだったナツミチームは、あえなく予選で落選してしまった。(通過したチームもあった)
 それで落選チーム群は、某地方都市のお祭りのダンスコンテストに出場することになる。某すぎさんが勤めている会社のある町だ。
「あそこだったら、技術よりかノリでイケるかもよー」
 と、すぎさんから有り難いお言葉で励まされた。落選チームだってノリだけはいいのである。
 結果は、ジュニア部門ダブル受賞であった。
 色っぽいチューブトップがおじさんばかりの審査員にウケたのかな。まあ、いずれにしろ目出度いことである。

***

 というわけで、昨日暗かったんで、今日は明るい話題でした。
 ブログランキング、なんとなく50位以内に入るようになったのもみなさんのおかげです。
 引き続き、右上クリックをお願いしますー。
 
posted by noyuki at 22:04| 福岡 ☀| Comment(8) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月29日

代車でドッカン。

 事故った。
 落ち込んでる。まさかこんなバカなことになるなんて・・・

 ナツミを迎えに行ったけれど、渋滞して車が止められないんで、ワンブロック回って時間を潰すことにした。
 ローソンの前でウィンカーを出し、ローソンに入るつもりだと間違えられるといかないんで、ゆっくり徐行してその先を左折した。
 その横をバイクがすりぬけようとした。
 ドアの横に衝撃が走った。
 はっきり言って、全然見えなかった。

 バイクの方は無傷。こっちはドアとタイヤのアルミホィールがやられている。
「無傷なんで、警察はいい、自分はすぐに行かなきゃけないから」と言われた。
 実は車は代車。台風で飛来物に当たったのをやっと修理の順番がきて、出した直後だった。
「イヤ、事故証明が必要だから、警察に連絡したい」
 とおねがいするけれど、茶髪の若者は首を縦に振らない。
「だいたいねー、虫が良すぎるんじゃないですかあ。自分が悪いのに警察だなんて、第一、こんなの保険でるわけないよ」
 
 キレた。
「ウィンカーだして徐行してたのに突っ込んだのはそっちだろ!」
 と言って、バイクのナンバー見ながら警察に電話した。
 たまたま親切な警察で、すぐに来てくれた。どっちが悪いかは言えない、あとは保険会社で、と言われる。
 もう、何も話す気にならなくて、ケイタイの番号だけ確認して帰った。

 改造しているというほどではないが、前の風よけとかがなくって剥き出しのバイクだった。
 夕刻の7時というびみょーな時間で、見えなかったのは無灯火だったからかもしれないとかいろいろ考える。
 でも、わたしもほんとに見えなかったし不注意だったのかもしれない。
 若いし、保険を使いたくないとかいろいろ理由もあったのかもしれない。
 などと、いろいろ考えるとキリがない。

 不幸な事故だったのである。
 互いに怪我がなかったのは不幸中の幸いだったのである。
 そう思おうとするが、なんかマジで落ち込んでます。

 だって。ローソンにはたくさんの客がいたし。
 車とバイク止めて大声で口論してたの見られてたのに。
 誰ひとり出てきてくれないんだもん・・・
 冷たいよなあ・・・って思うけど。ま、自分もそうかな、と、ちょっと自省した。
 
 
posted by noyuki at 22:33| 福岡 ☁| Comment(8) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月26日

野ざらしのピアノ

野ざらしのピアノの夢を見た。
野ざらしのピアノが置かれているのは、まっさらな風が吹く野原などではない。
コンビニの駐車場のすみの、粗大ゴミ置き場のような場所だ。

わたしは誰もいないその場所まで歩いてゆく。
上蓋を開けてみると、中がバラけてて、鍵盤と繋がっていない。
とてもちゃんとした音が出るような状態ではない。
それでもわたしは、椅子に座ってみて、そのピアノを弾くのだ。
正確な音は出ないが、引っかかったり、ズレたりしながらも、なんとかひとつ曲になっているような気がした。

否。
正確に言うと、壊れたピアノの音はきちんとした曲として成立していなかった。
それはただ、わたしの中でだけ、成立しているだけだった。

これはなんの暗喩なのだろうと夢の中で思っているうちに。
目覚ましが鳴って、それで目が覚めた。

気圧の低い朝とか、生理の前の日とかに。
全部を裏返すみたいに襲ってくる、ネガティブを。
目覚めたあとに思い出した。

晴れた日も、雨の匂いを含んだまま、そこに放置されていた。
野ざらしのピアノみたいなものを。
posted by noyuki at 22:21| 福岡 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 詩とか短文とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月24日

井上荒野「もう切るわ」 読まなきゃよかった!

 井上荒野さんという作家さんが気になって仕方なかった。
 ちょっとした記事や短編の文章がとても美しいし、大人の雰囲気を持っていらっしゃる。
 若い作家さんで雰囲気のある方は多いが、それとは一線を画した「厚い世界」というものを常に感じていた。

 だけど「もう切るわ」。
 もう、読まなきゃよかったとずいぶん後悔してしまった。
 いや、内容が悪いとかいうのではない。予想以上によくて、よすぎて、しかもわたしの嫌いな「好きな人が死んでしまう」という話で。その死に方の描写は、とてつもなく「ドラマ的死別の悲しさ」が押さえられていて。
 こういう切り口で、こういうものを読んだことがなくって、ああ、もう後悔するほど、逆にリアルな悲しさに襲われてしまったのだ。

 「せかちゅー」のような若者がはじめて経験する死というものにも、また定められた悲しさがつきまとう。
 だが、わたしたちの世代はもう「ヘタすれば不幸な病によって死ぬ人もいる」世代なのだ。
 歳さんは、わたし好みの男性ではけっしてない。むしろ、こういう男性には惹かれないというような代表だ。
 なのに、その強がりや矛盾や不整合性に共感してしまう。
 そして、歳さんを巡る、二人の女性・・・
 ああ・・・もう言わせないでください。

 ここまで言って、読みたい方はぜひ一読を!
 荒野さんが、もう少しライトなものを書いてくだされば、ぜったい読みたいと思うけど。
 これは、もう、読み返しません・・・

 あ、でも「きらら」連載中の「ズームーデイズ」はとてもいいなと思います。
 
posted by noyuki at 22:49| 福岡 | Comment(0) | TrackBack(0) | 見て、読んで、感じたこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月23日

発売日のタイムラグ

 都市圏で木曜日発売の週刊文春は、九州では土曜日発売。「今週のテレビの見どころ」なんて記事は、何日分かは無駄になる。
 だけどもビッグコミックスピリッツは月曜日発売で全国いっしょ。こういう雑誌はちょっと嬉しい。
 
 何度かここで話題にしている盛田隆二さんの「散る。アウト」。実はまだ入手できていない。
 紀伊国屋の在庫情報を何度もパソコンで確かめるが、ずっと在庫なしなんで、結局お店まで出かけて注文することにした。連絡先をケイタイにしておけば、仕事のとちゅうでも取りにいけるというコンタン。

「ああ・・・本社の方は入荷しているんで、しばらくしたら入荷しますよ」
 と、言ってくださる。
「しばらくって・・・だいたいどれくらいで?」
 と尋ねると、土日がはさまるので週明けになるだろうという。
「ハードカバーってですね。ふつう都市圏の発売日から何日くらい遅れるもんなんですか?」
 こういう聞き方ってイヤかなと思ったけれど、正確な数字が聞きたくて敢えて尋ねた。
「ええと、だいたい2日遅れですね」
「でも、土日は入荷しないとなると最大4日なんですね」
「そうですね・・・」

 本はがんばって移動している。
 列車だかトラックだかなんだか知らないが、膨大な数の本が地方の読者の手にも届くように、毎日毎日がんばって移動している。
 暗い荷台に積まれ、ときにはネズミに囓られ、ときには事故にあったり破損したりしながら、本はがんばって移動している。
 がんばれ。
 膨大な本たちの長旅よ。
 インターネットで発売日の情報がすぐわかる分、待ち時間が長いように感じるのだが。
 わたしの手に渡るために、まだまだ本は、旅の途中にあるのだ。
 がんばれ! 早く、ここまで来てくれよ!

 結局、週末に「散る。アウト」を読むというもくろみは破れたが、本がない週末なんて考えられないので、1時間ほど店内をウロウロして、井上荒野さんの文庫を買った。
 ああ、これで週末は幸せ。ちょっとほっとして家に帰った。
posted by noyuki at 22:56| 福岡 | Comment(3) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月22日

「水曜日の愛人」佐藤正午さんに、心をきゅっと結ばれる。

 朝起きて、昨夜読んだ小説のことを思い出す。
 1000文字の短い文章の中にとても好きな箇所がある。
 そこのところをベッドで反芻する。体中のあたたかい力がみなぎる。さあ、起きあがろう、昨日はとてもいい言葉に出会えたのだから、今日もきっといい一日に違いない。

 佐藤正午さんの超短編「水曜日の愛人」はそんな気持ちになれる小説だ。

 きららでは、携帯メール小説大賞の審査委員である佐藤正午さんの1000文字小説が2ヶ月に一度の割合で掲載される。
 今月号の「水曜日の愛人」がとても好きだった。
 嵐の中、定期購読している「きらら」を配達してくれた、メール便のお兄さんに感謝したくらいだ。

 好きな人と話している時間が好きだった。
 ネガティブな自分がそのときだけとてもポジティブになれるのだ。わたしを慰めたり勇気づけたりしてくれるわけではない。その人のポジな世界に触れて、わたしもそういうふうになりたいと思い、心の中に眠っているポジティブなものがどんどん目を覚ましていくような感じだった。
 だけどもわたしはいつか、薬物中毒のようにその人の言葉を求めるようになる。
 そういう関係が長続きするわけはなかった。

 だけども「水曜日の愛人」を持つ主人公は違う。
 節度を持って、愛人の来る水曜日を待つ。そうして、彼女の歌う歌に癒される。
 この「癒される」ときの表現がとてもいい。こんなふうに人の心を結びなおす感覚。それをかみしめる主人公。
 少しばかりの言葉がじんわりと心に染みこんで、そこにある人生を想像して幸せになれる。
 そんな言葉に出会えるから、小説を読むのがやめられない。

 今後わたしがもし誰かの愛人になるようなことがあるとしたら「水曜日の愛人」みたいになりたいと思った。
 誰かに何かを分けて貰うことを望むだけでなく。
 こんなふうに、その人の前で「自分」が流れるようになりたい。
 生きてきた道筋や、感じてきたものなどが、「わたしたち」というカタチをクリアにしてゆくような、そんな愛人になってみたいと、心底思った。

***

 右サイドの上のブログランキング。現在「読書」「詩・小説」部門で80位から100位くらいを迷走中。
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posted by noyuki at 22:16| 福岡 ☀| Comment(2) | TrackBack(2) | 佐藤正午系 盛田隆二系 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「散る。アウト」本日発売

 盛田隆二さんという作家さんの文章に触れて、もっとこの方の本を読んでみたいと思ったのは1年以上前。
 同様のファンだった友達が、盛田隆二さんのHPを作ってくれたのが2003年2月だったと思う。
 ご本人も登場してくださり、現在新作執筆中であることを教えていただいた。
 つまり、新刊を読みたいと思ってから、1年8ヶ月待ったわけである。

 本を書くというのは大変な仕事で、膨大な時間がかかるわけだから、その1年8ヶ月が長いと思ったことはない。
 楽しみは先までとっておくと、その分生きていきたいというチカラに変わってゆくものだ。
 いつかは、自分の心を揺さぶるであろう物語が、今、作られつつある。それを「心待ちにする」ことで、日々の生活は豊かなものになった。

 だが、発売当日にもなると、そう気が長いことも言ってられない。
 すでに、この本は存在している、そう思うと一刻も早く読みたい気持ちが抑えられない。

 というわけで、今日は朝から、アマゾンとウチの近所の紀伊国屋の在庫情報を何度も何度もチェックしている。
 あああーーー、早く、来てぇーーーーー。
posted by noyuki at 12:10| 福岡 | Comment(3) | TrackBack(2) | 佐藤正午系 盛田隆二系 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月21日

リンクって愛よね! (佐藤正午さん、盛田隆二さんにリンクしました)

 仲のよい友達のページにリンクを貼る。「わたしたち、ともだちだよね」って感じで。
 今でこそ簡単にできるけど、最初リンクさせて、とか言うのはちょっと恥ずかしかった。(そういうことってなかったですか?)

 だけどもリンクって、友達の輪だけじゃないところまで広がれるとこがすごいとこだと思う。
 「アマゾン」にリンクしてもいいし、「闘龍門」にリンクしたっていい。
 わたしの好きなもの、わたしが大切にしているものを、リンクというカタチでみんなに紹介することだってできるのだ。

 というわけで、大好きな作家さんのページをふたつリンクに追加した。
 盛田隆二さんのページはできたてほやほや。明日発売の「散る。アウト」に合わせての公開だ。
 佐藤正午さんのページは以前から出入りさせていただいている。ここのページで知り合った友達とは、定期的にオフ会をする間柄だ。

「ともだちよね」じゃなくて「憧れてます揺れるハート」なんて感じのリンクは、ちょっと恥ずかしいけれど、自分の心の中をまっすぐに見せるようで、なんだかパリッとしてて気持ちいい。
「この人好きなんです」って、大きな声で叫ぶときのクリアな感じが、リンクしたらどんどん広がっていった。

 もちろん、恥ずかしがり屋のわたしが、こんなこと思いつくわけがない。
 呼びかけてくださったパチフカーフさんに感謝!
posted by noyuki at 22:24| 福岡 | Comment(7) | TrackBack(3) | 佐藤正午系 盛田隆二系 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月20日

台風とmomoとタコライス

momomo

 強風のため、犬小屋から玄関に避難してきたmomo。
 ちょっと不安そうな顔をしています。続きを読む
posted by noyuki at 13:34| 福岡 ☔| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月17日

何億という偶然の果て

 世界の流れが どうも 自分の流れと違うのではないかと
 ふと 立ち止まる 交差点の午後
 まあ いいさ 深く 考えぬことにしよう
 そもそも ここに在ることさえ 何億という偶然の果て

 流れる川の水と 合流するように
 誰かと心通わせる日を 夢見る
 だが 叶ったことなど 一度たりともない
 わたしは水ではないのだし カタチを変えて他のものにはなれない

 誰かの心が 流れる
 どこかの魂が 浮遊する
 顔の見えない気持ちが なにかを求める

 そういうものたちが 空気中の塵となって 入り混じる世界
 触れては 悦び
 触れては 傷つき 消耗し
 わたしでない個体が わたしでない場所を彷徨っている

 わたしが わたしという場所を 彷徨っているのと同じように

 その人の世界を 想像する
 わたしという個体が 視界の中に 浮遊している
 ときに わたしたちは 触れ合う
 それもまた 何億という 偶然の果て

 叶う・叶わない 
 遠いおとぎ話のような記号に 
 答えを求めたくなる夜も 
 もちろん あるけれど

 移動し続け 感じ続け いろんなものを求め続けている わたしたちの魂が
 束の間 触れ合うことだけが

 何億という 偶然の果て

 

 
posted by noyuki at 22:44| 福岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩とか短文とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月16日

荘島物語「キング」

 人を惹きつける人間だけがキングになれるのではない。
 キングになることができるのは、自分の王国を持っている人間だ。

 荘島町に美容室ができたという話を何ヶ月か前にしたけれど。最近はここの美容室に通っている。
 凝った内装で、男性とその奥さん、それともうひとりの女性でやっている。3人とも若くてとてもきれいだ。
 女性週刊誌もなく、室内は美容室にしては暗い。今日は矢沢永吉のDVD がかかっていた。その前はレコードプレーヤーから見知らぬ音楽が流れていた。美容室というよりも洒落たカフェという印象。ハワイのコナ・コーヒーなどを出してくれる。なかなかおいしい。
 それに最近は2匹の小犬が加わった。犬は大体2階の自宅にいるけれど、ときどき抱っこして見せてくれる。

 なんだか変な店だな、といつも思う。
「完全予約制」と書かれていて、重たい木のドアは気軽に開けられる雰囲気ではない。近所でなかったらちょっと入れないだろう。

 それでも行くのは、カットがうまいのと、スタッフの雰囲気が好きだからだ。
 予約がないときは、男の子がハリガネで手作りのランプシェードを作ったり、バイクで出かけていったり。ときには女性ふたりで犬の散歩をしたり。仕事がないときはいつも遊んでいる。いや、ずっと遊んでいながら、ときどき仕事をするって感じか?

 できれば遊んで暮らしたいと思っている人は多いだろうが、実践できる人間はなかなかいない。
 それは遊ぶためのコンテンツが頭の中にないからだ。ずっと遊んでいると不安になる、人間が壊れる、そんな人は案外多いのではないだろうか。
 
 わたしはここに来ると、彼等の頭の中の王国にいるような気分になる。
 きちんと整頓されて壮大で、いろいろな楽しさが次々にカタチになってゆく王国。そんな場所でひとときを過ごすのはもちろん楽しい。

 生まれて3ヶ月ほどの小さなビーグル犬がゆったりと外を走る車を眺めている。だが、ここではないどこかを夢見ている風ではない。ここがすべてであって、この場所は満たされているからだ。
 
 ビーグルの名前はキング。王国に住むにふさわしい名前だ。
 
posted by noyuki at 22:54| 福岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 荘島物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月15日

清貧と濁貧

 その昔「清貧」という言葉があった。
 辞書で調べてみると「富を求めず、正しいおこないをしていて貧しいこと」となっている。
 清貧というのはなんだか文学っぽくてかっこいいなと思っていた。

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posted by noyuki at 22:12| 福岡 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月12日

本の整理 その2

ryuuji

 整理した本をわざわざ写真に撮るくらいだから、いかに珍しい行為か推測していただけると思う。
 これは、盛田隆二さんの蔵書。「サウダージ」はハードカバーが入手できなくて、文庫で最近購入ずみ。
 あと足りないのないですかね?

 全国29.8万人(推定)の盛田隆二ファンのみんさん、ヒマなら写真をクリックしてチェックをお願いします。続きを読む
posted by noyuki at 21:53| 福岡 | Comment(5) | TrackBack(1) | 佐藤正午系 盛田隆二系 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

本棚の整理をした

shogo


 何度も本を読み返す。よってベッドサイドには本がたくさん積まれている。
 好きな本は人に貸したりもする。返ってきてもそのままポンと置いてたりもする。

 だから本は整理整頓されることがほとんどない。大事にしてるわりには扱いはぞんざいだ。
 自分でもあんまりだと思い、作家さん別に本を整理してみた。

 写真は佐藤正午さんの本シリーズ。「永遠の1/2」は友人のとこに貸したまんまであることが確認ずみ。
 あと、買い忘れたものあるかなあ?

 全国30万人(推定)の正午ファンのみなさん、ヒマならば写真をクリックしてチェックお願いします。
posted by noyuki at 21:45| 福岡 | Comment(5) | TrackBack(0) | 佐藤正午系 盛田隆二系 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月11日

昨日見た夢

その1

 わたしは洞窟の中を歩いていた。
 それほど暗い洞窟ではない。中に防空壕のような写真の現像所があった。
 二人の若者がいた。わたしは現像する写真もなかったのだが、とりあえずそこに立ち寄った。
 若者のウチのひとりは木村拓哉だった。

その2

 「公民」のレポートを書いていた。
 前にもどこかで書いたが、わたしは夢の中でよく受験生になったり試験を受けたりする。
 別に追いまくられているときにこの夢を見るわけではない。むしろ、今でもそういうことをやってみたいという願望のあらわれだと解釈している。
 一生懸命書いたにも関わらず、公民のレポートは32点だった。ショックだった。
 同じ教室にショウがいた。たぶん、わたしたちは同級生なのだろう。
「32点しか取れなかった」と言ったらショウが静かに笑った。
「2点、勝った」続きを読む
posted by noyuki at 22:53| 福岡 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月09日

叶恭子と佐藤正午と細身のシャツ

 書きたいことをいろいろ並べてみたら、こんなタイトルになりましたハート
 別々に書けばいいのにね。

 今日「めちゃいけスペシャル」で叶恭子さんがセーラー服着てテストを受けていた。簡単な常識問題だった。
「○○人を待たず、この○○に入るのは何? 」(答えは歳月人を待たず)
 恭子さん、堂々とこう書いていた。
「金持ち、人を待たず」うーん、すごい。
 次の問題、ピタゴラスの定理とは何か? 三角形の辺の定理ですね。
「三角形とは無縁の生活をしているので、わたしには関係ありません」こんなこと言ってた。
 わからなくとも、この切り返し。この人には一生勝てないだろう。
 わたしに足りないものは、たぶんこういう事なのだと思った。

 夫は職場が変わって通勤時間が長くなったので、本を持っていくようにしている。
 ただし自分では買わない、わたしの蔵書からおもしろそうなものを選ばせて持っていく。いくつか貸していくうちに、ミステリーものが好きなことに気づいた。
 佐藤正午布教委員のわたしは「ジャンプ」を貸してみた。まあ、満足といったところか。
 次に「Y」を貸してみた。こっちの方がずっとおもしろかったと言う。玄人好みだな、なかなか見所があるぞ。
 続いて「取り扱い注意」だ。ぜひとも感想を聞きたいと思った。「まあまあだね、でも、場面がいろいろ変わって面倒だった」これはあまり気に入らなかったらしい。
「佐藤正午ってのはね」最後に夫は言った。「へんな男を書かせたら天下一品だね」
 いや、そんな感想が聞きたかったわけではないし。

 先日デパートでチェックのシャツを見た。丈も短いし、とてもいい感じだ。ただ、ちょっと細身なのが気になった。
「細身じゃないですかね?」
「着てみてください」
 はおって見ると、前のボタンが留まらない。いや、それどころか、二の腕もキチキチだ。前屈みにならないと着れないくらいだ。ショックだった、肩幅はたしかに広いけど、11号サイズだったらちゃんと入ると思ってたのに、そんなにわたし太っているのか?
「ああ・・・ここは若い人向きだからですね、上のフロアに行けばサイズもあるかと・・・」
 おばさんデザインのシャツなんて着れない、とぼとぼと家路に着いた。
 翌日、たまたまそこを通ったら、件のシャツをマネキンが着ていた。
 前のボタンが留まっていない。ためしに合わせてみようとしたが、小さすぎてマネキンでも前が合わない。
 わたしが太ってたんではない。もともとこういうデザインだったのだ!
 昨日の店員を見つけ出して、詰め寄ってやりたかったが、大人げないと思ってそのまま帰った。

 最近はこんな感じの毎日。
posted by noyuki at 21:57| 福岡 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月08日

右手の日常 左手の闇

 右手で奏でるメロディ
 夕暮れの斜光を浴びながら
 今日という日を鍵盤に

 交わした言葉の数々 ときにはフォルテ
 あわただしく過ぎる時間も なめらかにスラー
 家路に着く家族 そこからはじまるモデラート

 泣きたいほどの変調 頭痛い低気圧 傷だらけになる言葉たち
 重くるしくもあるものも
 ひとつの音に 溶け合って
 わたしという音楽は 変わらず流れ続けてる

 何も変わらず ここにあるではないか
 突然降り始めた 雨にも 
 戻れる場所は あるではないか

     なのに左手はつたなく
     別の音楽を奏でようとするのだ

     異音 
     けっして奏でられないくせに 
     ふりほどけない メロディ

 右手の日常が お皿を洗っている
 磨き上げたコップが キラキラ光ってゆく
 確立された 和音が響く

     左手のピアニッシモは
     もう ずっと 叶えられないまま
   
     いつ消えてもいいくらいの 
     小さく 解体された音 なのに


 それは 主旋律に混じることもなく
 いつまでも 小さな闇の中に
 不完全なピアニッシモを 奏でているのだ 
 

posted by noyuki at 22:23| 福岡 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 詩とか短文とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月07日

松茸ごはんを食す

「ほら、おみやげ、○○○」
 と、夫がエッチなfour letter wordを言った。
 おまけに新聞にくるまれたソレは、まったくそのもののカタチをしている。
 おそるおそる包みを開けたら松茸だったのだが、最初の言葉のインパクトが強くておまけにほんとにそっくりなカタチをしていたので、ちょっとげんなりして、ほんとに食べるのかなー」と思ったのだが、それでも松茸ごはんを作ることにした。

 松茸をスライスする。まぜごはんより炊き込みにしようと思う。
 アゲも入れようとしたら、ショウが「そんなにたくさん入れたらイヤだ」というんで、少しにした。
 新ショウガも入れた。うすくスライスして隠し味だ。
 あと、みりんと塩とうすくちしょうゆ。
 炊きあげて、あっという間にできあがり。

 松茸は、薄くてそんなに味はしないが風味はよかった。
 きっとエリンギでも使うみたいにぶっとくした方がおいしいんだろうな。だけど、そんなに大きくしたら、みんなで食べれない。

 高級なのに、そんなにおいしいと思わないのが、松茸とフグ。なんでかなあ。そんなに感動しない。
 中国産だから味が違うのかなあ。
 なんて言ったら、せっかくくださった夫のお客さんに悪いけど。
 まあ、わたしは、風物詩だから、くらいの感じだった。

 だけどもショウは、おいしいおいしいと言って食べた。
 スライスしてご飯に入れ損なった分を一枚だけ焼いたら、それもいい味だと食べた。
 とりあえず、喜んでくれてよかった。

 しかし、ほんと、夫の言うとおり。カタチがよく似ててヒワイだったな。
posted by noyuki at 21:42| 福岡 ☁| Comment(5) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月05日

びっくり! トラックバックがやってきた!

 ブログにトラックバックという機能がついているのも知ってる。
 実際に、友人の記事にトラックバック投稿したこともある。
 だけども、トラックバックということについて、イマイチその便利さがわからなかった。

 今日、ふっと見てみたら、知らない方からのトラックバックがあった。ビックリ! なんで? なんでそういうことができるんだろう?
 
 夕方散歩していて、インターネットに詳しい友人に会ってそのことを話した。どうしてなんだろうね?って。
「あのね、ブログってそういうもんなのよ、検索して同じような記事があればトラックバックして、そういうふうにして友達が増えていく。それがブログの優れているとこなのよ」
 知らなかった!

 前にも書いたが、ものめずらしさでブログを作って、そうこうするうちに前のHPが閉鎖になってここを利用しているわけである。書くことが好きで、赤い靴を履いたバレリーナのように毎日何かを書いていたいわたしには。無料で簡単に書けるページはなくてはならないものだ。
 ただ書くだけでなくって、そんなこともできるのか!

 そう言えば、ここでもi-podが当たるトラックバックキャンペーンとかやっていたなあ。
 トラックバック。そういうふうに使うのか。
 世界はわたしの閉じた楽しみを超えて、どんどん遠いところに進んでゆく。生きてると、ほんと、いろんな不思議に出会えるんだなあ。と、今日はマジに感動してしまった。

 ところで、トラックバックをいただいたら、どうするのが礼儀なんでしょうか?
 やはりトラックバックで返すの? それともコメントで?
 どなたか知っていらっしゃったら教えてください。
posted by noyuki at 22:41| 福岡 ☁| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする