2005年11月21日

天国への階段

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コンサートに行く人たちを見ていると、天国への階段を上っているような気持ちになる。その群れに交じっていっしょにのぼってゆくのはとても幸せな行為だ。

最近、わたしの頭の中に、天国に行くためのショートカットキーが頭の中にインプットされたように思う。
メンバーが歩いてステージの真ん中に登場する。
拍手をしながら誰もが静かに椅子から立ち上がる。
それを予定調和とは思わない。
経験値や期待値から来るショートカットなのだ、たぶん。

コンサートにかぎったことではない。
繰り返し楽しい経験を重ねることによって、いくつものショートカットキーが頭の中に生まれたような気がする。

頭の中はクリームチーズだ。
そこにあなたの指が柔らかく動いてゆく。
泣きたいような気持ちは、姉のようになぐさめられ。
どしゃぶりの雨にどろどろになった夜には、土色の地面にチョコレートコーティング。
虹が海をわたる雨上がりには、寄り添ってそれを見つめている。

何度も何度もそんな心地よさを味わうたびに、クリームチーズからとろとろの脳内物質があふれ出てくる。
ショートカットキーだ。
いくつもの気持ちよさを知るごとに、たどり着くための道のりが生まれる。

電車の中で狂ったようにメールを打っていた。
天国への階段をのぼった夜。

ねえ。わたしがトロトロになっているよ。
そこに指を入れてすくい上げて、それを舐めてみて。
メイプルシロップの味がするから。

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posted by noyuki at 22:22| 福岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月15日

湯ぶね

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湯ぶねに足を伸ばして、ゆったりあったまっていたら、涙がでてきていっぱい泣いた。
そっか。わたしはもっと早く泣かなくちゃいけなかったのだ。

自分の書いてるモノがダメダメで落ち込んでいて、それから、友達が書いたものを読んだらすごく素敵で。
悔しかった。
なんであの人の頭の中にはこんなにすごい物語が詰まってるんだろう、そう思ったらすごく悔しかった。
悩んでいる友達が、わたしのケイタイに長いメールを入れてくる。
メールボックスは、どこにも行けない(邪悪)を放り込むためのゴミ箱みたいだ。
わたしはどろどろに濡れた紙くずをそこから取り出して両手で伸ばしてみるけれど、クシャクシャの紙くずは元に戻らない。
小さなケイタイのボタンは、言葉をちっちゃく硬質にしてしまうから。誰かを柔らかく抱きしめたりはしてくれない。
「正直言ってガッカリでした」
とメールが帰ってきた。
自分が放り投げたゴミくずを、誰かに再生して欲しかったの?
論争を挑む人は、わたしを変えたいと思っているのだろうか。
最悪わたしが変わったとしても、真実は変わらないのに。

なのにどうして、電車の座席に座った人たちは一様にケイタイの画面を眺めているのだろう。

お風呂の中で思い出したのは、彼女がくれたメールだった。
わたしを好きだと言ってくれた。子供のようにまっすぐに傷ついてしまうわたしが、好きなのだと言ってくれた。
その言葉を思い出したら、少し涙がでてきて、それから湯ぶねに顔をつけて号泣した。
嗚咽が気泡にかわって、そのまま逃げていった。

悲しかったり悔しかったりしたときに、もっと泣けばよかったんだ。
そのとき泣けなかった分を取り戻すみたいにいっぱい泣いた。

きっと誰もがこういう言葉が欲しかったんだろう。
誰にもあげられなかった言葉を、今日、もらえた。

今度はきっと、誰かにあげよう。
posted by noyuki at 22:13| 福岡 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月03日

夢をみた


こんな夢を見た。
その男の顔をわたしは見ていた。
哀しそうな顔をしていた。
「この感覚とか感情とかを、僕はうまく言うことができないんだ」
と、男は言った。
わたしは男の手を掴んで、わたしの頬を触らせた。
「一生わからなくていいよ。ずっと、わからないままでいよう。わからなかったら、たぶん、こうしていられるから」
そう言って、男の中指を口に含んで軽く噛んだ。

なのにその朝、指先に痛みを感じて目をさました。
痛かったのはわたしの方だった。
いや。
あの男はわたしだったのかもしれない。


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posted by noyuki at 22:52| 福岡 ☀| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする