2006年03月29日

「ガール」奥田英朗さん 講談社

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30すぎOLガールの話なんて軽すぎるんじゃないかと思ってた。
誰が書いても同じこと、内容だって想像できる。
そう思っていたのに、表題作「ガール」で気絶した。
たぶん、わたしの友人の半分くらいは、自分の一番認めたくない部分を見たような気がして気絶するんじゃないかと思う。
気絶して、もう立ち上がれない状態のときに、奥田英朗さんに冷たい水を一杯いただいた感じ。
救ってくれてありがとう、そう思える作品。


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posted by noyuki at 09:49| 福岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 見て、読んで、感じたこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月19日

夢を見た

なにも言わずに唇だけをよせてきた。
5センチほどの至近距離に、その唇が静止していた。
磁力に引かれるように、わたしから合わせた。
唇はざらついていた。
ざらつきのみょうにリアルな触感に躊躇した。
それから、自分の身体の上にわたしを乗せた。
両腕で身体を支えたわたしは、上空10センチのところに浮遊していた。
「やろうよ」
不敵な顔つきがわたしを見つめた。
わたしが自らの意志でベルトをはずしジッパーに手をかけてジーンズを脱がすのを待っているのだ。
ずるい。
そんなふうにしたくてたまらないわたしを、たしかめたいのだ。

時計を見たら11時だった。
夜なのか、朝なのか。明るくなりすぎた春の光が、カーテンの向こうに透けていた。
誰かが気軽にノックしそうな気配。
「だから、ダメ」
とわたしは言った。
わたしの夢の中はいつも白夜だ。
薄明るい夜に、たくさんの人々が窓の外をカーニバルのように歩いている。
この場所には闇がないので、わたしはなにひとつ置いてゆけやしない。

目覚めたのは7時すぎだった。
ああ、まだ、こんな時間だし、日曜日だから。
もっとゆっくりと楽しめばよかった。

淫夢はみんな記憶しておきたいと思っている。
深層心理はほんとうにわたしのものなのか、それが今日の一日のいちばんの問題。


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posted by noyuki at 22:48| 福岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月18日

自分に自信のない夜は

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自分に自信のない夜は、どんなにしたら過ぎますか?
理由とか原因を考えたり。
なにもしないでベッドに潜り込んだり。
辛口のワインを飲み過ぎてみたり。
飲み過ぎたいきおいで電話をかけてみたり。
それから。
それから、ただ、自分のためだけに泣いたり。

もうずっと前から気づいてはいるのです。
誰かに愛されたり抱かれたり。
言質をとるみたいに、ささやかな言葉を宝物にできたとしても。
そんなことは、何も解消しないって。

自分のなかの塊は。
わたしに直視され。
わたしの手に触れられることだけを。
待って、いるのに。

エンジンを止めた車の中。
ミラーの雨粒。

その、ずっと向こうなのに・・・

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posted by noyuki at 22:16| 福岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月12日

猫の爪

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白い木蓮のつぼみは猫の爪に似ていた。
そう思ったわたしは、だれかに傷つけてほしかったのかもしれない。
肌にやわらかく爪をたてるみたいにして。
その傷あとが深く心の底にまで残ることを望んでいたのかもしれない。

そう思って空を見上げていたら、どんどんあたたかい陽の光が降り注いでいって。
猫の爪は、やわらかく丸めた白い毛糸玉のように膨らんでいった。

お互いを傷つけぬようにと、ようやく丸いやさしさを手に入れたのに。
それでも、傷つきたくなるんだろうな。
むきだしのきもちが。ときにはほしくなるんだろうな。


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posted by noyuki at 21:57| 福岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする