2006年04月30日

おいしい水

ペットボトルの水を飲む。
ゆっくりと、冷たすぎないものが。
からだのすみずみに染みわたるように。
わたしをつき動かすための、命の一部になるように。

くつしたを脱ぐ。
裸のままの足を眺める。
わたしの指は、外側に反り返っている。
男はそれを見るたびに笑うから、なんだか今日が心許ない。
明日はペディキュアを塗ってみようか。

ひとつひとつを脱ぎ捨てたとしても。
わたしは命を削りはしない。
また別のものを纏ったとしても。
命を武装したりはしない。

細く、目に見えない、蜘蛛の糸のような、命の芯が。
今、見えなかったとしても。
なにかを忘れてなにかを捨ててなにかを脱いだとしても。
それはたしかにあるのだと、繰り返し言い聞かせる。

変わりゆく季節のために、わたしの外側が変わるだけ。

物語を書き続ける。
長い長い、わたし自身の物語を。
あの「おいしい水」のような物語を。
わたしが、どのように作り上げてゆくのか。

絶望することなく。
飽きもせずに、粘土をこねるようにして。
物語を書き続けていこう。

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posted by noyuki at 21:41| 福岡 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする