2008年04月08日

「タイマ」嶽本のばら 小学館

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自粛なんてしたらダメだ。
作家は描くことでしか、その場所から逃れられない。

嶽本のばらが大麻所持で逮捕されてからの第一作め。
反省でもエクスキューズでもない、現実を内包した純粋な小説として発表された、その名も「タイマ」。
自分が「異物」であることが事件を通して、少しばかりユーモラスに描かれている。
そうして、同時進行するラブストリーが現実にまじりあってくる。塀の外の恋人は、ゴスロリでロッカーでストリッパー。かっこよすぎる!

自分が異物であることを認められるのは自分の作品以外にない。
そうして、くそったれな世の中につばを吐くことはできても、それを抱きしめることは作品を通してしかできない。
犯罪を犯したことの罪もフィクションの中でクリアになり、ラストの恋人の言葉には「とりかえしのつかないもの」と「それでも続く人生」の深さに涙してしまいそうになる。

そういう作家の作品に出会えると本当に生きててよかったなと思う。
自分の作家人生はおしまいだと思う小説家に、次の作品を期待して弁護士をたてる出版社と、その気持ちに打たれて、至上のフィクションを描く作家に出会えて。ほんとによかったなと思う。

というような事前情報をすべて取り除いても、純粋に楽しんで欲しい作品であります。

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posted by noyuki at 22:31| 福岡 | Comment(0) | TrackBack(0) | 見て、読んで、感じたこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月03日

桜は上を向いている

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下から見上げると、下を向いてにっこりと笑っているように見えるのに。
ちょっと離れてみると桜は上を向いてるんだな。

なんだか不思議だ。

八方美人とかそういうんじゃなくて、好き勝手にいろんなところ向いてたって、さまになってるって言うか、それはそれでいいんだって言うか。

わたしは。
いつから歩きだそうかと思いながらじっと立ち止まっている。

桜の木の下で足踏みしているみたいだ。

ああ、あったかい。
日差しってこんなにやわらかくってあったかいんだな。

いつから。
どこに歩きだそうか。



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posted by noyuki at 21:37| 福岡 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする