2010年12月13日

2010年 私的読書ベストテン

今年読んだ本の中で心にのこる本を10冊あげてみました。
明確に順位をつけるのもはばかられるのだけれど、心に染み込んだ濃度の濃い順に上から書いています。



* 二人静(盛田隆二)
やはり、今年の一番はこれ。介護やDVなどのリアルな問題を扱いながら、小説の持つ「ファンタジックな物語の力」を感じさせる作品。生きるに大切な感情を教えてもらったように思う。

* ダンスホール(佐藤正午)
雑誌「小説宝石」に2回にわけて掲載。複雑でこれほど格闘した小説は過去になかった。「きらら」の「ロングインタビュー」をあわせ読むと、佐藤正午氏という作家が目指しているものの方向性が見える。不明瞭な箇所はまだまだあるものの、読み解く楽しみをいくらでも味わえる「ジグソー小説」。そしてやはり文章の魔力。

* ロック母(角田光代)
ガツンをやられた。「二人静」の対局にあるような、考えて世界を組み立てることを放棄したような物語の中の強烈なメッセージにやられた。

* バイバイブラックバード(伊坂幸太郎)
設定も物語もおもしろかったけれど、装丁や企画を含んだ「愛」を感じる本。手元におきて、ときおりぱらりとめくりたくなる本。電子本を否定するわけではないが、電子ではけして表せないものがあると思う。物語自身も愛に溢れていてとてもいい。

* 3月のライオン(羽海野チカ)
5巻が今年発売の漫画。最初から、激しい感情の嵐に何度も震えた。そして5巻にいたっては徹頭徹尾涙が止まらない。感情をぎゅっと凝縮した濃度にやられてしまう。

*1Q84(3巻)(村上春樹)
続編が発行される喜びを存分に味わえた。とくに後半部分の高まりはよかった。引き続き読んでいきたい。「ふかえり」の物語はまださまよっている。

* マリアビートル(伊坂幸太郎)
新幹線が舞台となった小説。テンポもよく登場人物も魅力的。極上のエンターティメント作品。トリックも多く複雑なのであと数回は読み返して楽しめると思う。

* 小暮荘物語(三浦しをん)
「めぞん一刻もの」というくくりにしてしまえばそれまでなのだが、人物の持つ魅力と感性がとてもわたし好みである。しをんさんは、こういうラフな設定でのびのび描いてくださるものが楽しい。エロチックな視点もとてもいいと思う。

* ストリーセラー(有川浩)
多作となられてなかなか追いつかなくなってしまったが、これは心に残った。物語を作る人は、一度は自分の死ぬ場面を描く機会があるような気がする。それが現実の感情と入り交じっていてとてもリアル。前半がとても感情的でよかった。

* 小暮写真館(宮部みゆき)
宮部みゆきさんの作品には、不条理な悪人が出てこない分、とても安心して読める。大作であるが、ゆったりした音楽を聞くように楽しめた。

* 告白(湊かなえ)
映画を見る前にと読んでみたのだが、最初から文章の迫力に引きこまれた。すごい筆力だと思う。後味の悪いという人もいるが、わたしはスカっとしたタイプ。

あれ? 11作品になっちゃいました。

今年もたくさんの物語に支えられて、現実の世界を泳いでいけたように思う。
後悔も未決の問題もまだまだある。
とにかく私は、こういうふうにして2010年を泳いだ。



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posted by noyuki at 22:28| 福岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする