新しいウィジットを貼ってみました♪
伊坂幸太郎の小説には、とてもチャーミングな性格の人物が登場する。
その人は、自分の信念のままに行動し、その信念はとてもチャーミングで、あまりにチャーミングすぎて時には憎しみや怒りを買うような状況になることもある。
それでも彼の人生は、どんどん私の心に染みこんでいく。
それだけではない。
同じ物語の登場人物にも、少しずつ彼のチャーミングな信念が浸透し、いつのまにか「世界のなにかが少しだけ」変わっていく。
わたしたちは現実世界でも、こんなふうに他人の善意とか悪意を感じながら、多かれ少なかれ影響されていくのだから、「チャーミングな人生」が物語に染み渡っていくのを見ると、とても幸せなきもちになれる。
それが、伊坂幸太郎の小説のよさだと思う。
そして「残り全部バケーション」はまさにこんな小説だ。
なによりもタイトルがいい。「もう、残りの人生はバケーションにする」ってとてもステキな言葉だ。
そしてわたしは第一話から「岡田」のとりこになってしまった。いい人だ。溝口と組んで車の当たり屋をやっていた「岡田」。
彼の時系列バラバラのいろんなエピソードが、各短編にちりばめられている。
荒唐無稽だったり正義だったりするけれど、彼のめちゃくちゃだけど、まっすぐな様子を読んでいるだけで幸せになれる。
「読み解く推理小説」的なちょっとしたしかけもあって。岡田はいい人で。ラストのエピドードなんかがとても幸せで。
ほんとに幸せな物語でした。わたしの中の「伊坂幸太郎ベストスリー」に見事に入りました!
そして、蛇足ですが、この小説の登場人物たちがブログを読むシーンがあるのですが。
そのブログには「オレンジのガーベラの写真」がついてるのです。
わ〜〜〜〜、私のブログとおそろい! まじうれしいです! ただそれだけのことなのに。
