2013年01月25日

伊坂幸太郎の備忘録「残り全部バケーション」





新しいウィジットを貼ってみました♪







伊坂幸太郎の小説には、とてもチャーミングな性格の人物が登場する。
その人は、自分の信念のままに行動し、その信念はとてもチャーミングで、あまりにチャーミングすぎて時には憎しみや怒りを買うような状況になることもある。
それでも彼の人生は、どんどん私の心に染みこんでいく。
それだけではない。
同じ物語の登場人物にも、少しずつ彼のチャーミングな信念が浸透し、いつのまにか「世界のなにかが少しだけ」変わっていく。

わたしたちは現実世界でも、こんなふうに他人の善意とか悪意を感じながら、多かれ少なかれ影響されていくのだから、「チャーミングな人生」が物語に染み渡っていくのを見ると、とても幸せなきもちになれる。
それが、伊坂幸太郎の小説のよさだと思う。

そして「残り全部バケーション」はまさにこんな小説だ。

なによりもタイトルがいい。「もう、残りの人生はバケーションにする」ってとてもステキな言葉だ。

そしてわたしは第一話から「岡田」のとりこになってしまった。いい人だ。溝口と組んで車の当たり屋をやっていた「岡田」。
彼の時系列バラバラのいろんなエピソードが、各短編にちりばめられている。
荒唐無稽だったり正義だったりするけれど、彼のめちゃくちゃだけど、まっすぐな様子を読んでいるだけで幸せになれる。

「読み解く推理小説」的なちょっとしたしかけもあって。岡田はいい人で。ラストのエピドードなんかがとても幸せで。

ほんとに幸せな物語でした。わたしの中の「伊坂幸太郎ベストスリー」に見事に入りました!

そして、蛇足ですが、この小説の登場人物たちがブログを読むシーンがあるのですが。
そのブログには「オレンジのガーベラの写真」がついてるのです。
わ〜〜〜〜、私のブログとおそろい! まじうれしいです! ただそれだけのことなのに。


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posted by noyuki at 21:36| 福岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 伊坂幸太郎の備忘録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月22日

空ばかり眺めてる




新年のご挨拶もしないうちに、1月も中旬をすぎてしまいました。
わたしは空ばかり眺めています。

すごく暇でぼーっとしてるわけじゃなくて、むしろその逆でけっこう忙しくって。
なくしてしまった自信とか、見捨ててしまった人のこととか、久しぶりに会った人のこととか、そういうことを考えたりしながら、言葉にするすべもなく、朝な夕なの仕事の行き帰りに、空ばかりを眺めています。

そうしたら、この前「あ、わたしはさみしかったんだ」ってふっと思った。

世界に横たわる大きな鏡のような空が、そんなわたしを映しだしていた。

それはただ、映像のように映しだされただけのもので、わたしは言葉が見つからないままで。
きっとまた、それが、どういうものなのか、時間をかけて言葉に変えていくんだろうなあって思っている、まだとちゅうの場所。

ここを読みにきてくださるみなさん、いつもありがとうございます。
そして、今年も、よろしくおつきあいください。


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posted by noyuki at 22:32| 福岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする