2014年03月26日

奥様は愛国 北原みのり 朴順梨 河田書房新社






友人から、これ読んでみるといいよってこの本をもらった。
読んでみてびっくりした。
そこに、愛国心に満ち溢れた奥様がいっぱいいたからだ。

自虐史観もどうかと思うけれど、こんなに国を愛してるのもどうかと思う。

どうしてこんなに日本が大好きな人が増えたんだろう? といろいろ考えた。
自信をなくしたときに人は、いや、自分は優れているのだという保障がほしいのかもしれない。
貧富の差が激しく、自分が本来の姿でないと思うときに人は何か強い属性を持ちたいのかもしれない。
たとえば、共働きで働くのが当たり前の時代に、家庭を守る女性も姿を理想化してみたり。
理由はいろいろあるかもしれないけれど、なにかそれとはちがう大きな力が動いているのも感じた。

いや、国を愛するには自由だ。

だがそのことによって他者を排除したり、ヘイトスピーチをしたり、これが正しいと決めつけるのはまた別だ。

日本にはいろいろな民族が住んでいるし、考え方もいろいろだ。

だけど、他国の考え方を否定する本が、本屋にはずらりと並んでいる。ほんとにびっくりするくらいに並んでいる。
ビジネスパートナーとして相手を知る手段としては有効かもしれないけれど。
いったいこれはどういうことなんだ?と思う。

自分がマジョリティなのだとどこで決めるんだ?

考え方がひとつではないというのは、極端な言い方をすればみんながマイノリティの部分を持っているということだとわたしは思う。
そういう括りを民族の優劣にまで持っていくのはどうだ?

どんなに話してもわからないことを、たくさん抱え、それは少しずつ埋まるものかもしれないし、ずっと埋まらないかもしれない。
それでもそのことを発信し続けること自体は悪いことではない。

道は長い。
一括りなどない。
そして普遍の結論などない。

だけどもそういうものに目をそむけたプロパガンダは案外心地いいものなのかもしれない。

この本を読んだときの衝撃的な居心地の悪さは、いろいろ考えてみたけれどうまく表現できない。

だから、とにかく読んでみてください、これは、そうとしか言えない良書。


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posted by noyuki at 21:25| 福岡 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 見て、読んで、感じたこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする