
ホットロード 1 (集英社文庫―コミック版) -
「ホットロード」紡木たく そして映画
記憶しているだけで3回はコミックスを買っている。
今回は能年玲奈の表紙ということで、記念に買って、そして映画もみた。
恥ずかしながらたくさん泣きました。
能年玲奈というのは、生粋の芸術家肌か、かなり頭のいい女優さんなのだと思う。
見つめる顔ひとつに、いろんな思いと込めることを知っている。そしてそれがずんずん伝わってくる。
ホットロードは簡単に言ってしまうと、「厨二病のよるべなさ」「大人や親のだらしなく真摯な事情」「愛する人の死をおそれる気持」みたいな感じだ。
大人になってからは「和希のおかあさん」に対するシンパシーが強くなった。
そして、木村佳乃の「おかあさん」はわたしのシンパシーの素みたいなものをよく表現していたように思う。

人生は彼女の腹筋 -
「人生は彼女の腹筋」駒沢敏器
何の先入観もなく読んでいって、だんだんと引きこまれていった本。
「旅先」のような場所設定が多いのだけど、最初は「ストレンジャー」的な立ち位置だったのが、とちゅうで文章の空気が変わる感じ。
その「風が吹いてかわる感じ」がすごく気持ちよかった。
最初は片岡義男的なものを感じていたけれど、そこまで乾いてはいない。
短編の中で「バリ島の犬」がとても雰囲気がおもしろくて、そこから引き込まれていった。
「ルイジアナ大脱走」もとてもステキなストリー。

シャバはつらいよ (一般書) -
「シャバはつらいよ」大野更紗
「困っている人」の大野更紗さんの新作。
病気のある人がすべて入院して過ごせるというわけではない社会の中で、更紗さんは「シャバ」に出ることを選択する。
その中でのおさいふ事情、福祉の事情、ツイッターなどで人と知り合いが増えていく過程、そして恋愛問題などが盛り込まれている。
そもそもかかる人が少ないのが「難病」なんだから、なかなか理解しづらいのだけど、その中での制度や不便感、そしてそれでも、社会で生きていきたいという欲求がリアルに軽快に描かれている。
難病ゆえに理解されず、治療や薬の研究予算が少ないなど、いろいろの問題もあるだろう。
(ALSもそうですね)
その中で、当事者の方の発信する声に、とてもリアルにうなずけることが多々ありました。
