2016年01月21日

「幸福な朝食 幸福な就寝」



午前中、仕事までの時間つぶしに本屋に入った。
現場まで近いので5分で動ける、ゆっくりいろんな本を見てまわった。

伊坂幸太郎の「残り全部バケーション」が集英社文庫で出ていた。
読んではいたのだが、なんとなく手に取ってみる。
「ああ、これ、すごく好きだったんだよね」
そう思いながらじっと表紙を見ていたら「解説 佐藤正午」って書いたあった!
慌ててレジでお金を払い、本屋の駐車場で貪り読んだ。

もう、ほんとに、解説で笑いました!



仕事が終わり片付けも終わり夜になって、「残り全部バケーション」をもう一度読もうと思った。
わたしはほどよくストーリーを忘れてしまっているし、これは会話も楽しめる本なので、二度目も十分に楽しめた。

そして、眠る前にもう一度、佐藤正午氏の解説を読み返す。

「伊坂幸太郎氏があるところでこのようなことを書いているのだが」というようなことが第一センテンスで書かれていた。
そして解説の内容は、おおまかに言うとそれに対するリプライだった。

「伊坂幸太郎氏があるところで書いていた文章」に既視感があった。
ここ半年以内に読んだ文章のような気がする。
そう思って慌てて書棚をひっくり返し、佐藤正午氏の「アンダーリポート/ブルー」(小学館文庫)を引っ張りだしたら、ビンゴだった。
「アンダーリポート/ブルー」の解説が伊坂幸太郎氏。
それに対するリプライが「残り全部バケーション」の解説。
なんというステキなやりとり!



ああ、神様ありがとう。
とても幸せな気分で眠れた1日を本当にありがとう。


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posted by noyuki at 12:17| 福岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 佐藤正午系 盛田隆二系 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月10日

つれづれ

ご挨拶が遅れました。あけましておめでとうございます。
本年もいい年になりますように。

新年のドラマで「二宮和也」の「坊っちゃん」を観た。
あまりにも痛快な話だったので、びっくりした。
こんな話だったんだ!
もちろん「坊っちゃん」は読んでいる。ただ、わたしの印象は「田舎の閉塞した社会」と「山嵐が実はいい人」くらいのものだった。「坊っちゃん」の気概も、「きよ」の優しさの深さもまったく覚えてなかったのだ。

理由は簡単だ。
わたしは人生の経験値が浅すぎて、中身の評価がまったくできてなかったのである。

実はこういうことがとてもたくさん起こる。
大きくなって「赤毛のアン」をテレビで観たときもそうだった。人の悪意や意志の深さを経験していない小学生の私には、それは単なる「元気な女の子」の話にしか見えなかったのに。成人して観たアンは、ほんとに「まっすぐでまぶしいくらい自由な女の子」だった。

小学校の高学年で「アンナ・カレーニナ」や「若きウェルテルの悩み」「古い文語体で書かれた詩集」などを読んでいたのは、今でいう「活字中毒」だったからだ。
家に置いてある古い書物の文字を追うだけで、とても気持は落ち着いたし、それがあったからこそ、現実世界をなんとか乗り切れた。
たぶん、今でいう発達障害のようなもので、もう、タイムマシンで遡ってそれを精査することもできないのだけど。そういうふうにして乗り切っていったものは、たしかにあると思う。

オトナになった。
心の機微もだいぶんわかるようになった。
もっともそれも「本」に教えてもらった部分が多いのだが。
ずいぶん普通にやっていけるようになった。

こうして人生の経験値があがっていくと、また違ったおもしろさに出会えるのかもしれない。
そういうものを、いろいろと味わってゆくのが今年のテーマです。

そうして、今読んでいるのは「掟上今日子の退職願」であります。




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posted by noyuki at 15:59| 福岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 見て、読んで、感じたこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする