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手塚治虫漫画賞の受賞作品を見ていたら、「有間しのぶ」さんという名前に聞き覚えがある。
じっくり思い出した、10年以上前にとてもハマっていた「モンキーパトロール」という漫画の作者でした。
「モンキーパトロール5」を描いたブログです
「モンキーパトルール6」を描いたブログです
「その女ジルバ」は、ブラジル移民から帰国したジルバのお店に集う、高齢のホステスたちの物語。40歳にして会社で閑職に追いやられた「アララ」が副業にここのホステスになるところから話がはじまる。
2011年2月からの連載開始で隔月連載で7年間!
気の長い話で、ゆったりと時間がすぎてゆくけれど、その分一人一人の時間を立体にじっくり描けている作品だと思う。
ブラジルから帰ってくる途中の船で家族をなくした「ジルバ」。
ブラジルでは「日本は戦争に勝った」というデマを信じる一派がおり、その一派に翻弄されていたという知らなかった真実。
戦後の「花売り娘」の壮絶な話。
そして、現代を生きる「アララ」も40すぎの独身で先が見えない。
アララの実家の福島の被災と再生の物語もそこにはある。
有間しのぶさんのお話に出てくる人々は「少しだけマイノリティ」の場所にいるような気がする。
「少しだけマイノリティ」という言葉は「まったくふつう」に対応しているようで、居心地悪いのだが、誰もが持っている「少しのマイノリティ性」に向き合って、やりくりして、自分なりの答えを出そうとしている人の物語のような気がする。
「モンキーパトロール」にもそういう部分があったと思う。
そして、こんなに「派手ではないけれど、じっくりと描かれた作品」が手塚治虫文化大賞に選ばれるということにもまた拍手を送りたいと思います。
