「ライオンのおやつ」小川糸さんの作品です。
瀬戸内海のレモン島にあるホスピスにいくことになった雫さん。30代女性、独身。
そこでの生活が描かれています。
毎日のことや住人や友達、なついてくれた犬のこと、からだや気持ちの変化。そのからだを離れて魂となってしまうこと。
そんな雫さんのことが、落ちついた読みやすい文章で描かれています。
がんがん泣きながら読みました。
がんがんがんがん。気持ちの良い涙があふれてくる作品。
「おうち時間」のおかげで、ほんと誰にも知られずにがんがん泣きました。
「ライオンの家」なんて変な名前のホスピスです。
ライオンは百獣の王。何者かに存在を脅かされる心配のない場所。
いろんな人が自分らしく生きて魂となっていく場所。
そんな場所があるからといって、誰もが安らかな気持ちで何も無く最後を迎えることなんてできないことも百も承知です。
それでも、安全な「ライオン」となって自分と向かい合いながら生きていく人たちのことが愛しくてたまらなくなる作品でした。
それにしても、最初から最後までがんがんがんがん泣けるってのはやばいです。
悲しいとかじゃなくて、ずっと自分の内側にきれいな海風のシャワーが流れるみたいに。
ほんとにがんがんがんがん泣いた作品でした。
