実は忙しすぎて活字が読めなかった。
「物理的に活字を読む時間がない」わけではなく、読んでも活字が頭に入らないのだ。
「紛争でしたら八田まで」の14巻さえも途中までしか読んでない。やばい、やばすぎる。こんなに活字大好きな人間でさえも、活字が入らなくなってしまうんだ。
どんなに考えても仕事のしすぎはよくない。
年末にいくつか懸案が片付いたのでよかったけれど、本当、活字が生活からなくなっていくのは、からだがからっぽになっていくようだった。duolingoくらいしか友達がいなかった。
そんな状況で「今年のベスト本」など思いつくわけもなく、「そうだよね、好きだった本はそのつど感想を書いているし、リストアップなんてとても無理」と思ってたけれど、活字リハビリのために読んだ伊坂幸太郎の短編が想像以上の勇気と元気を与えてくれたので、これを紹介したいと思います。
sc=1">https://amzn.to/48dhbVTオール讀物 2024年 01 月号 [雑誌] - オール讀物https://amzn.to/48dhbVT 中学生のエンドウさんとフジサキさん、そして田中先生の物語。
高校入試に不安があったフジサキさんは「誰にも見られずに三越のライオンに跨がることができると願いが叶う」と、ネットでの情報を入手し、エンドウさんとともに仙台三越のライオン像でチャレンジしてみる。
そこで見えた幻影。そこから起こる未来の事件。
過去と未来がライオン像を通じて繋がっていて、もちろん、3人の人生も絶妙に絡み合っていく。
Have a nice day! って、命令形なのかな? でも「良い日にしろ!」って言われたらちょっとプレッシャーだよね。
ネズミ講はいやだけど、ネコ講があるならそっちの方がいいなあ、ネコはほら、気ままでのんびりしてるから。
なんていうエンドウさんとフジサキさんの会話を読むのはとても幸せだったし、意外な事件も起こってくるけれど、あいかわらずの軽やかさで、解決するための心の動きが、わたしにとても気持ちのいいものを送り込んでくれた。
そして、わたしは「ああ、新年になったら三越に行ってなにか買いたいなあ。忙しかったんだもの、いい日になるように素敵な買い物をしたいなあ」と思ったのでした。
それは梶井基次郎の「檸檬」の読後感とはちょっと違うけれど、少し似ているかも。
いろいろの対応で「仕事おさめ」というゴールポストが思ったよりも後ろに下がってしまったけれど、なんとか、それでも今年が終わります。
「野生時代」で佐藤正午せんせいの「熟柿」も読んだけれど、これは、連載ものなので、感想はのちほど。
それでは。
Have a nice day!

ブログランキングに参加しています。
posted by noyuki at 20:20| 福岡 |
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
伊坂幸太郎の備忘録
|

|