2015年09月27日

「アンダーリポート/ブルー」佐藤正午 小学館文庫



何度か読んだはずなのに、詳細を忘れてしまっている。
「交換殺人」の話だったはずなのに、誰と誰がどういう理由で交換されたのかを忘れてしまっている。

おそらくひとつは、ストリーが複雑なのと、記憶の経年劣化がおきているためだ。
あと「文体」とか「仕掛け」とか「時系列」とか「雰囲気」とか、追いかけるものが多すぎて、とてもストリーだけに集中してはいられないかったからにちがいない。

そのことについては、伊坂幸太郎さんが「解説」で書かれてる。

というわけで、三度目なのにガツンとやられてしまった。
「アンダーリポート/ブルー」
いや、正確には、「アンダーリポート」と短編「ブルー」は別々に何度か読んでたのだが、同じ本に収録されていなかったため、同時に読む機会がなかった。
今回はじめて同時に読めた。
すごかった。
なにが?
裏切りがすごい。驚きがすごい。「ブルー」を読んではじめてわかることがある。そのことに愕然とくる。

メビウスの輪のように「閉じた小宇宙」の中で、ふたりの女性が「殺してやりたい男」を思い描き、交換殺人を犯す話だ。
ざっくり言ってしまうとそうなのだが、少しずつ登場人物の立ち位置がわかってくる。
そして、完璧に「閉じた小宇宙」だと思い込んでいたはずなのに、いきなりドアがこじ開けられる。
それが「ブルー」だ。

「ブルー」の初出は、「正午派」という本のカバーの裏側に書かれた短編だった。
それを「人をくったような意外性」だけでおもしろがっていたが、ここにきて「アンダーリポート」と続けて読むと、作者の用意した「びっくりするような着地点」がようやくわかりました。



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posted by noyuki at 17:29| 福岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 佐藤正午系 盛田隆二系 話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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