伊坂幸太郎の「さよならジャバウォック」。
寝落ちしてストリー忘れたり、ちょっと複雑な構成に翻弄されながら、最後には「なんという結末!」とびっくりして「いやいや、もう一回読んでみよう」と思って読み返してみたら、いろんな隠しアイテム的な表現をたくさん見つけてしまい「ああ!ここはこういう意味だったのか!」とか驚きながら、最後は滂沱してしまう作品でした。
ええ。裏切らない作品です。
> なぜかしら、頭がいろんな気持ちでいっぱい。何が何だかはっきりわか>らない。
> ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」の中でアリスが言う。「ジャバ>ウォックの詩」を読んだあとに、そう感想をもらすのだ。
(さよならジャバウォックより)
量子はモラハラ体質の夫が暴れるのを抑えられず、はずみで殺してしまう。幼稚園に送った息子も夕刻には帰ってくるのに、どうしいいかわからない。
そんなタイミングで大学時代のサークル仲間桂凍朗(カツラコゴロウ)が訪問し、夫の死体を手早く始末してくれる。
なにがなんだか、わからない。
人に憑依して性格や動作までも邪悪に変えてしまうジャバウォックに夫は取り憑かれていたらしい。
その後も、ジャバウォックに取り憑かれた人が、さまざまな場所で登場し、絵馬や破魔矢とともに量子もさまざまな体験をしてゆく。
そしてラストに行くほどに「これはネタバレしちゃいけない」と思うことばかりで、このあたりで口をつぐみます。
日本の童話の中にも、おそろしい鬼が出てきたり、その鬼をやっつけたりと、極端で怖いものがたくさんあるのだが、これはまさにそういう世界。
ラストもまさにそういう世界。
わたしたちのいる現実世界もまた、ジャバウォックや寓話のような禍々しいものがたくさん存在しているのかもしれない。
なのに、この禍々しい物語の中に、たまらなくあたたかな気持ちを感じられるのはなぜか。
ああ、ここでは言えないので。
とにかく読んでほしいなと思う作品であります!


