2013年10月30日

気持ちの備忘録

きれいな和三盆


むかしコミュニケーションの授業でアサーションってヤツを習って。
ああ、これで、他人とちがう意見を言うときに、憎しみとか逆ギレとかしなくて済むんだって思ったんだよ。
アサーションっていうのは、なんていうか、「悪意なく、他人に反対してもまったく問題ない」みたいな話で。

でも、そう思いはじめてしばらくしたら、なんだかすごく感情が平坦になってしまったようで、すごくさみしくなってしまった。

今でも、仕事で人と違う意見を言うことももちろんあって、いや、ほんとは仕事とかそういう話じゃなくて、違和感をきちんと表さないと自分が気持ちわるくって。
それで、こちらがふつうに言っても、人はいやだなあと思ったり、自分自身の状況がそれによって浮き上がってしまったりする「空気」がわかるんです。

でも、自分が主体だから自分が言おうと思うことは言っていいや、っていうのと同時に。
なんていうか、そのウエットな感じとか、少しの後悔も含めてすごく好きなんだと思う。
それは、ずっと小さいときに植え付けられた、すごく保守的な感情で、今では自分の中でオールリセットできたと思ってるんだけど、それでも愛してるっていうことなんだと思う。

あと、人を想うときに、他人だからどうにもならないこともあるんだけど、その、「どうにもならない感情」とかも。
ずっと若い頃にすごく愛していた感情なんだと思う。
ずっと引きずってはいない。
でも、そういうマイナス感情をなくしてしまったと思っていても。
なんていうか、ときどき顔を出して見える、甘くせつなく気持ちがなつかしくなってしまうんだ。

もう、昔の自分とは違うけれど、昔の行き場のわからなかった自分のことも、最近はけっこう愛してるんだなって、今はそういうふうに思うことにしています。



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2013年09月28日

自分を楽しませる 自分をかわいがる 自分を世界の中心に置く

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空を見上げると、雲はくるりと空を囲んでいる。
自分をまんなかにして。
そのまわりを雲は流れているのだ。

それで気づいた。

わたしの世界の中心はわたしなんだって。
わたしという目線から見た景色が、ゆがみのない世界なんだって。

そんな当たり前のことに気づくのにどれだけかかってしまったんだろう?

「自分を楽しませる 自分をかわいがる 自分を世界の中心に置く」

みっつのことを決めた。背骨みたいなものだ。
そこが、くにゃっと曲がらないようにしようと思う。

空のきれいな秋の日。


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2013年09月14日

あんもダゴ汁の作り方

「まめぶ汁」が人気であるが、残念ながら食したことがない。
ただ、まめぶを見ると「甘いものの入った汁物」という点でこれを思い出してしまうのだ。

「あんもダゴ汁」

熊本市内の北部に住んでいた頃、よく近所の人からいただいた。
大きなぎょうざのような団子の中にサツマイモの餡が入っている。
それを味噌汁に入れて食べるのだ。
少々手間がかかるため、多めに作っておすそわけしてくれる。
むかしは、芋のあんこを包むのは子供の仕事だったと聞いた。

たしかにあの地域では「あんもダゴ汁」と言ってたのだけど、残念ながら、ネットでその名前は見つからない。
「あんもちダゴ汁」という名前でいくつか出てきたが、多分同じもの。

以下は、思い出しながら作ってみたレシピです。

* いもあんを作る。

中程度のさつまいも2個に砂糖大さじ1と1/2,塩少々を入れて、水分を入れてレンジでチンして潰します。

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* それを包む

固めにこねた小麦粉で、餃子の皮のようなものを作る。好みもあるでしょうが、ふつうの餃子よりもひとまわりほど大きなものになってしまいます。

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* できあがった団子。中にさつまいもの餡が入ってます。一人分で2個ほどでしょうか?

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* ふつうのダゴ汁のように野菜をゆでる。
鶏肉、ごぼう、大根、人参、玉ねぎ、たけのこ、南関あげが入ってます。

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* みそを溶いてできあがり。
食べるときに、団子を入れてあたためます。

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最初に食べたときは、ぎょぎょぎょ!でした。
でも、あんこの甘さと味噌汁のしょっぱさがなかなかのハーモニーです。



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2013年08月31日

あまだち


「あまちゃん」が好きで、ときどきあまちゃんのこととか書いてたら、「あまだち」ができた。
あまちゃん友だち、あまだち。うれしい。

最初から熱心に見てたわけではなくて、「クドカンだからおもしろいかな?」くらいで時々見るくらいで。
でも、ツイッターで「あま絵」を描く漫画家さんがいっぱいいて、もっとよく見るようになった。
だんだんミズタクの良さとかもわかってきた。実を言うと「まほろ駅前多田便利軒」の頃から松田龍平を毛嫌いしていた。すまなかった。
ベンさんネタも好きだし、ストーブさんの情けなさも大好き。
もちろんユイちゃんも春子さんも夏バッパも。

でも、9月の第一週には、もう一度わたしたちは、あの悲しい出来事を直視しなければいけないね。
電車に乗ったユイちゃんとか、自宅で寝ている夏バッパの心配もしてしまうね。

でも、そんなことさえも、書けていいなあと思う。

本とかドラマを見てて、受け取るってのは、ただ受け取って感じるだけのことではない。
受け取って感じたエネルギーを発信できるってことなんだって気づいた。
気持ちを描いたり、絵を描いたり、ツイッターでなにかしら言ってみたり。
いろんな人がそうするのを見てたら、受け手の中の「気持ち」みたいなのがどんどん大きなものになっていくのが見えてとても嬉しかった。

きっとミクちゃんとかもそうなんだろうね。

ネットが好きだ。
どんどん、言うことが増えてきて、どんどん気持ちが自由になっていける。
あまだちもいっぱいできたよ。


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2013年08月08日

それは世界との約束ではなくて、ともだちとの約束

世界に向かってなにかを言うのはむつかしい。
立ち位置とかいろんなものが邪魔をして、 なかなか素直に言えないものです。

けれど、これは、ともだちとの約束。

ネットの知り合いであるげんたのさんが、毎年原爆の日に空を見上げて写真を撮るのを繰り返しておられ、わたしもいつか、同じ空をげんちゃんと同じ時間に撮りたいと思っていたのでした。



8月6日8時15分。久留米の空です。

わたしの庭から見上げたいつもの空。
いつまでもこの空の景色を、思い煩うことなく愛しつづけられますように。


そして、明日の長崎原爆忌にも、一緒に空を見あげましょうってげんたのさんからお誘いをいただきました。

「明日8月9日 午前11時02分 長崎忌に今年もそれぞれの場所で空を撮ります お時間の都合のつく方、思い思いの場所で空を繋げませんか?」

ともだちや知り合いとの小さな約束。
大きな言葉につい耳を塞いでしまう懐疑的なわたしにも。
心に響いてくる小さな言葉があるのが嬉しいものです。



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2013年07月10日

オーケストラの空

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オーケストラの空

なんでだろう?
訃報を聞いた日は必ず空を見上げる。
だから、悲しい知らせの日は空の色を覚えていたりする。
なんでだろう?
みんなみんな、空の色とともに記録されてく。

彼がなくなったことを知ったのは夜だったから。
わたしは空を見上げなかった。
かわりに、デスクトップに貼り付けてる、この空の写真を見ていた。
だから、これが彼の記憶の写真である。

数年前、旅先の沖縄で見た朝焼けの空。
わたしはこの写真を「オーケストラの空」と呼んでいる。
いろんな雲がちがう音色を奏でているように見えるから。
多重奏の音楽が聞こえるような気がするのだ。

悲しい音色の多重奏の中にも、心にのこるフルートの音色があったりするだろう。

たったひとりで、わたしよりもずっと若く空を渡っていった彼の人生をわたしは知らないけれど。
共有した瞬間は、どれもこれもとても幸せな瞬間だったことを。
この空を色とともに覚えておきたいと思ている。


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2013年05月29日

梅雨日記

まだあげそめし前髪の、って感じ。


「まだ挙げ初めし前髪の」の続きは何だったんだろう?
なぜか樋口一葉だと思い込んでいて、よく見てみたら、島崎藤村の「初恋」だった。

色づきはじめのあじさいは柔らかくてきれいだ。
そして、大きくひらく頃には色濃くなって、悲しいことに私のあじさいは、下品な感じの色になってしまう。

これは、加齢とか、月日の過ぎ去ることへの比喩ではない。
ただの事象である。

「哲学はいらない」

悲しいこととかむつかしいことに遭遇するたびに、最近はそうつぶやいている。
「法則」として何かを考えるよりも、ひとつひとつ、感じた方が気持ちいいような気がする。

ももクロの「宙とぶお座敷列車」とか口ずさみながら、隣に座るあの人のためにキャンディの包みを開けるみたいにして。
出会いは喜び、楽しくやろう!

あなたとの出会いに理由はない。
そこが、はじまりだ。



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2013年05月13日

乾いたシャツが心地よすぎて海の底にはもう戻れない

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さらりとした5月の風が吹いている。
そして最近の気分はそんな感じ。

あの、深く湿った海の底にはもう戻れない。

なんだかすごく遠くなってしまって、海の底で探していたものの事はもういいや、って。
思っている自分にちょっとびっくりするものの、それはそれでしかたないか、って。

せつなさを咀嚼するかわりに、現実を咀嚼することに罪の意識はない。
むしろ、現実には、こんなにもたくさんのコンテンツがあったのかと驚いてる。

さらりと乾燥した風に吹かれて、5月のシャツはすぐに乾く。
乾いたシャツが心地よすぎて海の底にはもう戻れなくて。

白いシャツが臆病者のハンガーに揺られている。


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2013年03月19日

その日まで、これを楽しみに生きていける




好きな作家さんの新作がでるのは楽しい。
その日までは、これを楽しみに生きていけると思える。
そしてその日をさかいに、一度も読んだことのないページを夢中で繰る、もっと幸せな日々がやってくるのだ。

小説は一朝一夕でできあがるものではないから。
著者が自分の持つ世界を表現するための時間がぎっしり詰まっているから。
好きな小説を待つあいだの時間は、一年に数度しかないけれど、それでも、どんな作品だろう、楽しみ、ワクワク、あとどれくらい? そんなことを考えながら、信号待ちのあいだでさえも、少し心が温かくなっているのがわかる。

4月12日の発売まで、もう一ヶ月を切りました。
予約受付中、ほんと楽しみです。
アマゾンで予約できます。
村上春樹 「色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年」



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2013年02月22日

空はいつも暗い





(PM2,5の備忘録として)

ここ数年、空は煙った日が多くて、近くの山も遠くの山も見えない日が多いのだけど、今年のスモッグは特に重たい感じがする。
地上にただよっている感じで、ふつうに道を走っていると、500メートルほど先のビルがかすんで見える。

川の向こう岸にあるマンションもかすんで見えている。
そして空はいつも暗い。
雨の降る日はいっそう暗い。

もちろん晴れた日もある。
でも、晴れた日でも地平線あたりはかすんだドブネズミ色をしている。
青い空が見えるのは、真上だけだ。
つまり、ドーム型の球場の中にいて、ドームの天井がぽっかり開いて、そこから空が見えている感じだ。

喉が痛いのもアタマイタイのもイヤだ。
だけども、もっとイヤなのは、生まれたときからずっと慣れ親しんでいた、青い空が遠くなってしまったこと。

ずっといっしょだと思ってたのに。
空が遠くなってしまったのがすごくイヤだ。


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2013年01月22日

空ばかり眺めてる




新年のご挨拶もしないうちに、1月も中旬をすぎてしまいました。
わたしは空ばかり眺めています。

すごく暇でぼーっとしてるわけじゃなくて、むしろその逆でけっこう忙しくって。
なくしてしまった自信とか、見捨ててしまった人のこととか、久しぶりに会った人のこととか、そういうことを考えたりしながら、言葉にするすべもなく、朝な夕なの仕事の行き帰りに、空ばかりを眺めています。

そうしたら、この前「あ、わたしはさみしかったんだ」ってふっと思った。

世界に横たわる大きな鏡のような空が、そんなわたしを映しだしていた。

それはただ、映像のように映しだされただけのもので、わたしは言葉が見つからないままで。
きっとまた、それが、どういうものなのか、時間をかけて言葉に変えていくんだろうなあって思っている、まだとちゅうの場所。

ここを読みにきてくださるみなさん、いつもありがとうございます。
そして、今年も、よろしくおつきあいください。


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2012年12月13日

ひさしぶりに10度を超えた日

#weather #sky #instaweather #instaweatherpro #outdoors #nature #久留米市 #kurumeshi # #japan #day #autumn #clear #skypainters #fukuokaprefecture ハツモノ



暑い季節に生まれたから冬が苦手なんだろうか?
冬に生まれた人は、暑いのは苦手なんだろうか?
そんなふうによく考える。

昼間の温度が10度を切ると気持ちがすさむ。
そんな日がずっと、続いて、今日はやっと暖かかった。
そして明日は雨だってさ。

ああ、冬はきらいだ。カラダがこわばっている感じがする。
それなのに。冬のいちごも冬の刺身も、身がしまっていておいしいと思ってしまうのだ。


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2012年11月04日

それはもう叶わぬこと


薄紅のコスモスが秋の日に




それは、もう叶わぬこと。
そう思うことがいくつかある。

はっきりとわかっていることもあるし、うすうすわかっているけれど知らないふりしていることだってある。もちろん認めたくなくって目をつぶっていることもある。

叶わぬことは確実にある。

透明なピンク色の羽根をつけている時は短かったな。
でも、そんなものなくしても、まだこうして風に吹かれていられる。
それならそれでいいか。


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2012年10月03日

言葉の神様


加筆


最近「自分はどうやって自分の感情っていうものを獲得していったんだろうか?」ってよく考えるんです。
感情なんてふつーに生活していれば身につくものだって思うでしょ? ところが、わたしにとってはそんなに簡単なものじゃなかった。

小学校の頃、友達の冗談や冷やかしがわからなくて感情的にエスカレートしたり、オトナになっても、そういう細かいところが全然わからなくて、そうそう、恋愛はできたつもりだったんだけど、でもそれも「好き」っていう感情の処理の仕方がすごくむつかしくって、でも、若いころは性欲みたいなものもあるから、なんとなくそれなりだった。
でも、ほんとのところはよくわかってなかったし、今でもよくわかってないのかもしれない。

誰でもそうなのかな?

自分の内側にはたしかな塊があるんだよ。
でも、それがどういうもので、どういうふうにそれを出していいかはわからない。
それを教えてくれたのが本とか言葉だったの。
教えてくれなかったら、わたしはまだ、ずっと「生きづらさを感じたままの子供」だったのかもしれない。

本はいろんな感情を言葉に替えて教えてくれた。
ああ、心のあのあたりにあった塊はこういうことだったんだな、とか。
そういうことをたくさんたくさん言葉に変換してくれた。
最初は本で、それからはネットで仲のいい友だちができて、文字で表しながらふつーの話とか、感情のやりとりをすることを覚えて、そういうふうにしてだんだん「感情」というものがどういう言葉をしているかがやっと私はわかってきたような気がするんです。
なんでも文字に替えていくことで、やっとわかってきたって感じ。

だからわたしはすごく言葉を愛してる。
自分の言葉が誠実に自分の心を表してくれることを切実に望んでいる。
それはもちろん「誰かとつながるため」なんだけど。
そのためにもすごく「きちんと言葉が表してくれること」を望んでるんです。

言葉の神様に愛されたいんです。
いつもそんなふうに思ってる。
思っているから、嘘のない言葉で、どんな小さいことでも書き続けていきたいって、いつもわたしは思ってるんです。

そうそう、あなたの話だったね。

わたしの「それ」が言葉であるように。
あなたも、何かの神様に愛されたいと思っているんだなあって思う。
あなたの創るものを見ていると、いつもそういうふうに思ってしまう。

神様の前に差し出すとき、わたしたちは、嘘のない純粋なものを造ろうと思うんだよね。

「カッコイイ」と人に見えるように、とはちがう。
嘘のない。純粋なもの。

あなたが創るものに、ずっとそういうものを感じているから。
だから、あなたの創るものが好きなんだよね、きっと。


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2012年09月22日

冷たい雨とさわがしい雨


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どちらも心象風景に見えるから不思議。
自分の心がいちばん一筋縄ではいかない。


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2012年09月15日

浅瀬を駆け足で駆け抜けることについて

空は秋色



転職したら仕事が増えた。
少々ではあるけれど、収入も増えた。

いえ、アフェリエイトとかマルチまがい商法の話じゃないけれど、まじめに仕事をしているって話です。

前職を辞めるときにかなりな挫折をした(もうこの件については話したくないので省略します)。だから私は、ちゃんと自分をやりなおしたかった。
今の職場では、前職の経験も生かされて、まあまあ重宝されていて、だんだん任される仕事の幅も広がっていった。少々の無理もしたし疲労もした。
それでも、わたしは、挫折の記憶を消したかったし、なによりも仕事は楽しかった。

「でも、もう、そのあたりでストップだよ、言われるままに仕事を増やすのは辞めて、ちょっとは断りなさい」

そんなときに、年上の友人ふたりからまったく同じことを別々に言われて、すごく驚いたのだった。

「そういうふうにはできてないでしょ。もっとゆるく生活してて、なにかを書いたり、考えたり、そんなあなたが、仕事のことばかり考えている。だれかに重宝されるのは嬉しいよ。だけどね。そのために自分以上のことをやったって、そりゃ無理がくるだけなんだから」

ほんとは自分でも、うすうすわかっていたけれど、ほんとに友人たちはすごいなあ。
わたしが、泳いでいた底の見えない深い海に背を向けて、水たまりののような浅瀬を駆け足で走っている姿に気づいている。
そしてわたしは、この場所が駆け足で走るための浅瀬ではなくて、ほんとうはその先に深い海が横たわっていることに気づいている。
ひとつだけわかっているのは、駆け足で走るときに、自分のポケットからたくさんの砂がこぼれ落ちているってことだ。

さてさて。

何がしたくて、何をどういうふうに変えればいいのか考えるのは時間がかかる。

いつか、こぼしていったそれを、振り返って拾い集められたらいいなと思う。

まずは、そこからかな?
まだまだ時間もかかりそうだ。


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2012年09月05日

パン屋再々襲撃






夏のあいだ、あまり食欲がなかったのが、9月になって少し温度がさがったせいか、急速に空腹を感じた。

それも、夜の11時に突然だ。

もともと7時までには夕食をすます。それ以降は水分以外はほとんど口にしない。
もちろん外食する日までそれを守るほどストイックではないのだが、おおまかに私の胃袋は、夜はものを食べないようにできている。
なのに、呪いにかかったように空腹だった。
とてもこのまま眠ることなんてできない。
そもそも、そんな空腹を感じることなんてここ何年もなかったので、自分でもどうしていいかわからなかった。

それで、パン屋を襲撃したのにクラシック音楽を聞かされて厳密な襲撃ができなかったり、マクドナルドを襲撃したのに手ひどいマニュアルの壁にはばまれてやはり計画通りの襲撃ができなかった彼のことを思い出した。

パン屋を襲撃することを考える。
このあたりにはイオン系のスーパーがあって、手作りパンがそこにはあるはずだ。店員はそれを万引きと呼ぶだろう。
ずっと妥協して、コンビニのパンを買いにいくことを考える。だけど、どう考えてもコンビニの袋入りのパンはマクドナルドほどの食指も動かなかった。
結局台所の収納に日本製のクッキーが2枚見つけ、それを食べて苦いお茶を飲んだら、それで、暴力的な呪いがすーっと引いていった。

気づいたときには、ほどけていた。

最近は、きゅっと結んでいたものがほどけて、ほつれて、その絡まり方が少々複雑になっている。わからないままに保留にしているものをたくさん放置したままだ。
答えはひとつじゃない、ってずっと思っている。
ほどけすぎて、最後まで答えを出さなくていいと思っている。
その状態は居心地悪くない、けれど、もっとシンプルだった欲望を思い出して、そのエネルギーがすごい勢いで身体の中を流れていたことまでも思い出した。
欲望はもっとシンプルだったはずだよね。

今日はこの本を読んでみよう。
呪いのような暴力的な空腹が思い出させてくれた。秋の夜の読書の宿題。






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2012年07月28日

夏スイッチ



身体の中の夏スイッチがオンになって、夏がわたしの中に入ってきた。
今日はそういう日だ。

梅雨のひどい雨と湿度から一転した暑さについていけなくて、乾いたり、水分を取り過ぎたり、身体が火照ったり、なんだかおかしかった。
それが昨日の夜、眠りに落ちる寸前くらいに、「あ、もう大丈夫だ、夏スイッチが入りそう」って思ったのだ。

朝になったら、スイッチが入ってた。
暑いんだけど、暑さにきっちり身体が馴染んでいる。
日差しもすごく心地いい。
ときおり身体をすり抜ける風も、すごくいい。

そうそう。
夏はこうやってやってくるんだ。

スイッチがオンになって。
身体が夏に変わって。

これからしばらく、わたしは夏の身体と一緒に生活していく。
それがとても嬉しい。


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2012年07月04日

雨の降る日の女子高の教室

H&Mのバーゲン後


滝のような雨で、外に出るのもままならず家の中にいるのに、なんだか女子高の教室の中で休み時間にワイワイやっているような気分だった。

これがネットの豊かさだ、とあらためて思う。

あのさ〜。昨日、読んだ本、おもしろかったんだよ〜。わたし、泣いちゃったよ〜。
ねえねえ、この動画すごくない? なんかすごいよね〜。この人。
ああ、雨で屋上でおひる食べれないのダルイねえ。
じゃあ、帰りにケンタッキーの食べ放題行っちゃおうか?
あ、ドラマ録画したけどまだ見てない〜。昨日のおもしろかった?
本屋さんに寄って帰ろうよ、今ハマってるマンガがあってさ〜。

こういう話が耳障りよく通り過ぎていく。

高校生の頃は、おもしろい本と好きな音楽ばかりがすべてだったのに、いつのまにかそれがすべてじゃなくなってしまって、一方で現実はリアルな世界のヨロコビと悲しみを深くわたしに教えてくれた。でも、そういうのも含めて、わたしはずっと「おしゃべりな教室」に住んでいたかったんだなと思う。
ネットで知り合った友人が結婚することになって「祝電おくろうよ〜。あれ? 本名知らない!」なんて、笑いながらメールで名前聞いて。
もう、ずいぶん、ここに住み続けているんだなあと改めて思った。

ネットがあるおかげで、孤独なオトナにならなくて済んだ。
女子高の教室にいたときみたいに、本と音楽と好きな食べ物と恋愛の話だけしてればよくって。
おかげで、この雨の中でも、わたしの頭の中はなんだかにぎやかだ。

なんて書いてるウチにまた大雨洪水警報が出ました。
そういうわけで今日は雨の教室。


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2012年05月30日

幸せな初夏の夜

幸せな初夏の夜


ひとりの作家がひとつの長編小説を書き上げるためには膨大な時間がかかるから。
「好きな作家の、まだ読んでない長編小説が、今わたしの手の中にある」瞬間っていうのは、一年に数度あればいい方だ。
そして今日はそんな日。

発売日が決まった日には「ああ、もうしばらくはこれを楽しみに生きていける」って思うし。
アマゾンで予約できるようになったら、忘れないうちに注文しておく。
地方に発売日に届くことなんてめったにないから、ちょっと気長に待ったり、ときにはじりじりしてみたり。
そんなふうにして、本はわたしのところにやってくる。

うきうき。
幸せな初夏の夜。
これから、まっさらなページをめくる、これはその前の記念撮影です。


そして届いたのはこの本。



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